CONTENTS

施行日:令和元年7月1日

1.総則

第1章 この法律を通して言えること

第一章 総則

第2章 火事を出さない…火災予防

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この法律の目的
第1条

この法律の目的は次の通りです。
  • 火災を予防し、警戒し、鎮火すること。
  • 火災から生命や身体、そして財産を守ること。
  • 火災や地震などの災害による被害を軽減すること。
  • 災害などによる身体的な被害者の方々を速やかに搬送すること。
  • 安心して暮らせる環境を整え、より幸せな社会を目指すこと。
原文
この法律で使われる用語
第2条

この法律の専門用語は次の通りです。
2重要

防火対象物:
    火災などの予防の対象となるのは次の施設や物体です。

  • 山林
  • 舟車(詳しくは6項参照)
  • 造船所などのドックや埠頭に係留されている船舶
  • 建築物や工作物と“それに付属している物”
3重要

消防対象物:
    火災を消したり、災害現場から救助される対象となるのは次の施設や物体です。

  • 山林
  • 舟車(詳しくは6項参照)
  • 造船所などのドックや埠頭に係留されている船舶
  • 建築物や工作物、"それらに限らない物”
4重要

関係者:
  • 防火・消防対象物の所有者(大家さん、持ち主など)
  • 防火・消防対象物の管理者(管理人、責任者など)
  • 防火・消防対象物の占有者(借家人、テナント、利用者など)
5

関係のある場所:
    防火・消防対象物が建っていたり、設置されている場所
6

舟車:
  • 船舶安全法第二条第一項の規定に該当しない船舶
    • 端舟(小舟、ボートなど)
    • はしけ(運河や港湾内専用のエンジンをもたず荷運びに使う浮体)
    • 被曳船(タグボートなどで運ばれる船)
    • 上記のどれにも該当しない舟
  • 車両
7重要

危険物:次の表に該当する物質。

(別表第一)
類別 性質 品名
第一類 酸化性固体
他の物質と混ぜると爆発や激しい化学反応を起こす物質
塩素酸塩類
塩素酸カリウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸アンモニウム 他:マッチや火薬、染料の材料
過塩素酸塩類
過塩素酸アンモニウム、過塩素酸カリウム 他:ロケットやミサイルの推進剤、火薬や花火の材料
無機過酸化物
過酸化リチウム、過酸化ナトリウム、過酸化バリウム 他:酸化剤や漂白剤、花火の材料
亜塩素酸塩類
亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸マグネシウム 他:酸化剤や漂白剤
臭素酸塩類
臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウム 他:酸化剤やパーマ用薬剤、食品添加物
硝酸塩類
硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム 他:火薬の原料、肥料、防腐剤
よう素酸塩類
よう素酸カリウム、よう素酸ナトリウム、よう素酸アンモニウム 他:酸化剤など
過マンガン酸塩類
過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム 他:酸化剤など
重クロム酸塩類
重クロム酸カリウム、重クロム酸アンモニウム 他:酸化剤など
その他(政令で指定)
十一 第一類の物質を含むもの
第二類 可燃性固体
燃えやすく、よく燃えて、場合によっては有毒ガスを出す物質
硫化りん
硫黄とリンの化合物、マッチの原料。
P:赤りん
赤色のリン:マッチの原料
S:硫黄
黒色火薬の原料
Fe:鉄粉
表面積が増え、激しく燃えやすくなった粉末の鉄
金属粉
鉄やマグネシウム以外の燃えやすい粉末の金属
Mg:マグネシウム
その他(政令で指定)
前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの
引火性個体
第三類 自然発火性物質
禁水性物質
空気や水に触れただけで自然に発火する物質。
K:カリウム
Na:ナトリウム
アルキルアルミニウム
アルキル基とアルミニウムが結合した物質…トリエチルアルミニウム、エチルアルミニウムセスキクロライド 他
アルキルリチウム
アルキル基とリチウムが結合した物質…メチルリチウム、エチルリチウム、n-ブチルリチウム 他
P:黄りん
淡い黄色や半透明のリン:赤リンの原料、発火剤の材料
アルカリ金属
Li:リチウム

アルカリ土類金属
Ca:カルシウム・Ba:バリウム
第六項以外の有機金属化合物
金属と炭素の結合を含む化合物…ジエチル亜鉛 他
金属と水素の化合物
水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム 他
金属とリンの化合物
リン化カルシウム 他
炭化カルシウム・炭化アルミニウム
十一 その他(政令で指定)
十二 第三類の物質を含むもの
第四類 引火性液体
割りと低い温度でも物質から蒸発した気体に火が付いてしまう液体。
特殊引火物
100℃以下で燃えだすものと、-20℃以下で気化しだして40度以下で燃え移るもの…二硫化炭素(自然発火)、アセトアルデヒド(気化しやすい)、ジエチルエーテル(引火しやすい)
第一石油類
21度未満で引火する石油類…ガソリン、ベンゼン、トルエンなど
アルコール類
メタノール、エタノールなど(アルコール濃度60%未満の酒などは対象外)
第二石油類
21度以上70度未満で引火する石油類…灯油、軽油、ブタノールなど
第三石油類
70度以上200度未満引火する石油類…重油、ニトロベンゼン、グリセリンなど
第四石油類
200度以上250度未満引火する石油類…潤滑油、可塑剤(プラスチックを柔らかくする添加物)
動植物油類
比較的低い温度で印加する動植物由来の油…エゴマ油、大豆油、ごま油、オリーブオイルなど
第五類 自己反応性物質
小さな点火源でも火災や爆発を引き起こす固体や液体の物質
有機過酸化物
硝酸エステル類
硝酸メチル、ニトログリセリン、ニトロセルロースなど…爆薬やダイナマイトの原料
ニトロ化合物
ニトロソ化合物
アゾ化合物
ジアゾ化合物
ヒドラジンの誘導体
ヒドロキシルアミン
ヒドロキシルアミン塩類
その他(政令で指定)
十一 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの
第六類 酸化性液体
過塩素酸
過酸化水素
硝酸
その他(政令で指定)
前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの
8

消防隊:
    ユニフォームや法被を身にまとい、消火用の道具や機械を装備する消防官や消防団員による部隊のこと。他にも都道府県単位で組織された航空消防隊のことも指します。
9

救急業務:
    次の状況でのけが人や病人を救急隊が医療機関などに運ぶこと。
    やむを得ない緊急の場合に応急処置を行うこと。

  • 災害により発生した事故
  • 屋外や人々がいる場所で発生した事故
  • 政令に該当する事故の発生
  • 政令に該当する病気の発病

  • 医療機関とは、厚生労働省の省令に該当したものが対象となります。
原文で「…用語は左の例による」とあるのは、原文が縦書きだからです。
“消防官”というのは正式な官職名ではなく、消防署の職員の中で実際に消火活動を行う職務に就く人のことを《消防吏員》といいます。
“船舶安全法第2条第1項で規定する船舶”とは、船体に航行に必要となるエンジンや帆装、排水設備・操舵設備・投錨や係留設備、電気設備などの他に、居住・衛生設備や救命・消防用設備、航海用具を積み、荷物スペースや作業のための設備、危険物や特殊貨物の積載設備を積載しているものを指します。
原文
第二章 火事を出さない…火災予防

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