CONTENTS

施行日:令和元年7月1日

3.危険物

第3章 危険物に対して

第三章 危険物

第3章の2 危険物保安技術協会について

第2章 火事を出さない…火災予防
指定数量を超える危険物の貯蔵と取り扱い
第10条罰則

指定数量を超える危険物は、貯蔵所や取扱所でなければ貯蔵や取り扱いは許されません。

タンクローリー、つまり貯蔵用のタンクを取り付けたトラックのことを《移動タンク貯蔵所》といいますが、これは貯蔵所の一種として認められています。

ただし、消防長や消防署長の承認を受けていれば10日以内に限り、仮の貯蔵や取り扱いをすることが認められます。
2重要

複数の危険物の取り扱いや貯蔵をする場合は、1品なら指定数量を超えていなくても、トータルで見たら指定数量を超える危険物が集められることになります。

この場合は次の計算式で値が1を超えているかどうかで指定数量に達しているかの判断をします。

(危険物Aの量/Aの指定数量)+(危険物Bの量/Bの指定数量)+(危険物Cの量/Cの指定数量)+ ・・・ ≧ 1
3罰則

危険物の製造所、貯蔵所、取扱所では、政令で定められた技術基準に従って危険物の貯蔵や取り扱いを行う必要があります。
4

危険物の製造所、貯蔵所、取扱所の位置や構造、設備の技術的な基準は、政令で定められています。
原文
危険物貯蔵所などの設置許可
第11条重要罰則

危険物の製造所や貯蔵所、取扱所を設置しようとしている人は許可を受ける必要があります。

同様に、既存の貯蔵所などの位置や構造、設備を変更しようとしている人も許可を受ける必要があります。

この許可を出すのは、作ろうとしている設備の設置場所により、次の通りとなります。

消防本部及び消防署を置く市町村に設置する場合は、その市町村長。

《移送取扱所》と呼ばれる、パイプラインで危険物を運ぶ取扱所については第3項の規定を参照。

消防本部/消防署を置かない市町村に設置する場合は、その市町村が属する都道府県の知事。

消防本部/消防署を置く市町村の中に移送取扱所の全域が収まる場合は、その市町村長。

消防本部/消防署を置かない市町村に移送取扱所の全域が収まる場合は、その市町村が属する都道府県の知事。

複数の都道府県にまたがる場所に移送取扱所を設置する場合は、総務大臣。
2

危険物の製造所や貯蔵所、取扱所に対する設置許可の申請をしかるべき市町村長や知事、総務大臣に提出したら、その位置や構造、設備が基準に適合しているのかを審査され、安全性や災害リスクに問題ないと判断されると、許可が得られます。
3

複数の都道府県にまたがる移送取扱所の申請に許可を出す前に、総務大臣からその都道府県の知事に通知がなされます。

もし知事側から問題があると判断された場合は、総務大臣に意見を出されることになります。
4

複数の市町村にまたがる移送取扱所の申請に許可が出されるにあたって、もし市町村側から問題があると判断された場合はその首長から都道府県知事や総務大臣に意見を出されることになります。
5罰則

許可を受けた危険物の製造所や貯蔵所、取扱所が完成したら、申請を出した首長や知事、総務大臣に完成検査を受けてください。

そこで技術的基準に適合していると認められると、その施設が使用可能となります。

許可の申請が位置や構造、設備の変更に対して行った場合も同様に完成検査を受けて、適合が認められないと使用可能にはなりませんが、部分的な変更であれば、申請にかかわらない部分をあらかじめ承認を受けておけば、その部分は継続して使用を続けることが認められます。
6罰則

危険物の製造所や貯蔵所、取扱所の名義が変わっても、許可自体が無効になることはありません。

だからといって許可の名義が以前のままというわけにはいきませんので、むやみに遅れることなく新名義に引き継ぐための手続きを行ってください。

この手続は、もちろん許可をした市町村長、都道府県知事、総務大臣のところで行ってください。
7

危険物の製造所や貯蔵所、取扱所の許可が出されると、政令の規定に従って、国家公安委員会か都道府県の公安委員会に、場合によっては海上保安庁の長官に通報されます。

とはいえ、簡単な工事で総務省令に該当するものであれば、通報されない場合もあります。
許可をした市町村長、都道府県知事、総務大臣のことを省略して、市町村長ら、あるいは市町村長と記載します。
原文
工事によっては工程ごとに特定事項検査
第11条の2

危険物の製造所などの許可を受けていても、その工事の内容によっては工事の工程ごとに基準に適合しているかどうかの検査を受ける必要があります。

工事の内容は政令で指定され、これを《特定事項》といいます。

完成検査と同じように申請を出した首長や知事、総務大臣に特定事項の検査を受けてください。
2

工程ごとにきちんと特定事項検査を受けていないと完成検査を受けることが認められません。
3

特定事項検査をパスしたら、パスしたところは完成検査でスルーすることが認められます。
原文
屋外タンク貯蔵所に対する審査は協会に
第11条の3

次のケースでは、危険物の製造所や貯蔵所、取扱所の許可申請に対する審査を危険物保安技術協会という機関に委託することが認められています。

政令に該当するもので、屋外にタンクを設置して危険物を貯蔵する施設:《屋外タンク貯蔵所》に対する審査

特定事項に該当するもので、屋外タンク貯蔵所に対する審査
原文
物質や数量が変わるときは届け出を
第11条の4罰則

危険物の製造所や貯蔵所、取扱所の位置や構造、設備をそのままだからといっても、そこで取り扱う危険物を変更する場合は、変更をする10日前までに許可されたところに届け出をする必要があります。

位置などもそのまま、危険物がそのままでも、数量…特に《倍数》と呼ばれる、指定数量に対する取扱量の割合を変更する場合も同様に届け出をする必要があります。

《倍数》は、次の式で求めます。

1種類の危険物のみの場合 :
取扱量 / 指定数量

2種類以上の危険物の場合 :
危険物1の取扱量 / 危険物1の指定数量 + 危険物2の取扱量 / 危険物2の指定数量 ・・・
2

危険物を定めた消防法の別表第一には、《前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの》という記載のものがあります。

この物質の《含有するもの》が複数の場合は、複数の危険物を取り扱うものとなります。
3

取り扱う危険物やその数量の変更に対して許可されたときも、国家公安委員会か都道府県の公安委員会、場合によっては海上保安庁の長官に通報されます。
原文
貯蔵所などが違反していたら
第11条の5

危険物の製造所や貯蔵所、取扱所の位置や構造、設備、取り扱う危険物の種類、数量に違反していると、許可をした市町村長や知事、大臣から何とかするなり、取り扱いを止めるなりの命令を受けることになります。
2

タンクローリーの保管場所や構造、設備、取り扱う危険物の種類、数量に違反していると、その土地の市町村長から何とかするなり、取り扱いを止めるなりの命令を受けることになります。
3

違反しているタンクローリーに対して、市町村用や知事から命令が出されたら、許可をした市町村長や知事、大臣に対して通知が送られます。
4

貯蔵所などの違反に対する命令が出されたら、標識を立てるなど総務省が指示したやりかたで命令の内容を公示する必要があります。
5

貯蔵所などへの命令に関する標識は対象となった危険物の製造所や貯蔵所、取扱所、タンクローリーに立てることになります。

そうなったら、貯蔵所などの所有者や運営上の責任者が標識を立てられることを拒んだり、ジャマをすることは許されません。
“危険物の貯蔵所などの所有者や運営上の責任者”のことを《危険物の製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者》といいます。
原文
責任をもって基準を守ろう
第12条

危険物の製造所や貯蔵所、取扱所の所有者や運営上の責任者は、認可を受けたとおりの位置や構造、設備を基準通り維持しなければなりません。
2

認可を受けたとおりの位置や構造、設備が基準通りに維持されていないと市町村長や知事、総務大臣から、修理や改造をしたり、位置を直して基準守りなさいと命じられることになります。

この命令はその貯蔵所などの実質的な最高責任者が受けることになります。
3

貯蔵所などの基準を守るようにとの命令が出されたら、標識を立てるなど総務省が指示したやりかたで命令の内容を公示する必要があります。

貯蔵所などへの命令に関する標識は対象となった貯蔵所などに立てることになります。
原文
許可の取り消しや運用停止に
第12条の2罰則

次のようなことをすると市町村や知事、総務大臣から受けた危険物貯蔵所などに関する許可が取り消されたり、一定期間の運用停止を命じられることがあります。

許可を受けずに、勝手に位置や構造、設備を変更した場合。

許可された量を超えているために命じられた改善をしなかったり、使用中止の命令に従わない場合。

市町村長らから、修理や改造をしたり、位置を直して基準を守れとの命令に従わない場合。

屋外タンク貯蔵所や移送取扱所が受けなければならない《保安検査》を受けていない場合。

《保安検査》については第14条の3第1項、第2項に規定されています。

危険物の貯蔵所などが受けなければならない《定期点検》を受けていない場合。

《定期点検》については第14条の3の2に規定されています。
2罰則

次のようなことをすると市町村や知事、総務大臣から受けた危険物貯蔵所などに対して一定期間の運用停止を命じられることがあります。

危険物の種類、数量に違反したために市町村長や知事、大臣から何するようにとの命令を守らない場合。

「政令で決められた以上の量の危険物を取り扱うには《危険物保安統括管理者》を決めて統括的に安全を確保しなさい」という第12条の7第1項の規定を違反した場合。

「危険物の貯蔵所などに必要な《危険物保安監督者》を決めて保安監督をさせなさい」という第13条第1項の規定を違反した場合。

《危険物保安統括管理者》または《危険物保安監督者》の解任を命じられた場合
3

許可の取り消しや運用停止の命令が出されたら、標識を立てるなど総務省が指示したやりかたで命令の内容を公示する必要があります。

この標識は対象となった貯蔵所などに立てることになります。
原文
緊急の場合も一時使用停止や使用制限
第12条の3罰則

緊急の場合、市町村長らから貯蔵所などの一時使用停止や使用制限を命令されることになります。
2

一時使用停止や使用制限の命令が出されたら、標識を立てるなど総務省が指示したやりかたで命令の内容を公示する必要があります。

この標識は対象となった貯蔵所などに立てることになります。
原文
自分の市町村に危ない移送取扱所がいたら
第12条の4

自分の市町村に、危険物の事故を起こしそうな移送取扱所があれば、市町村長から許可を出した都道府県知事や総務大臣に対して、「危なくないよう、ちゃんとさせるように!」と要請をしてください。
2

要請を受けた知事や総務大臣は、現状調査をしてください。

その結果、危ないと認めたら、次のような手を打つ必要があります。
  • 許可を取り消す。
  • 基準を守らせる。
  • 緊急の使用停止や使用制限
3

許可の取り消しなどの手を打ったら、知事や大臣から市町村長らに対応したことを報告します。
原文
移送取扱所で万が一のことに備えて
第12条の5

移送取扱所で万が一のことが起こったら、危険に対処するためにどのような行動を行うか、事前に運営側と行政側の間で取り決めを話し合っておく必要があります。
原文
設備を廃止したら
第12条の6罰則

危険物の製造所、貯蔵所、取扱所の責任ある関係者は、許可を受けた用途を行わず、そのための設備を廃止したら、遅れることなく市町村長や知事、大臣に届け出る必要があります。
原文
《危険物保安統括管理者》を決めて
第12条の7

危険物の製造所、貯蔵所、取扱所が政令で決められた以上の危険物を扱うには、《危険物保安統括管理者》を決めて、危険物の保安業務を統括的に管理させる必要があります。

《危険物保安統括管理者》について詳しいことは政令で定められています。
2罰則

新しく《危険物保安統括管理者》を決めたり、勤めていた《危険物保安統括管理者》が辞めたときには、市町村長に届け出る必要があります。
原文
《危険物保安監督者》を決めて
第13条罰則

政令で指定を受けた危険物の製造所、貯蔵所、取扱所では、次の資格を有する人に資格に適した《危険物保安監督者》の役割を担ってもらい、危険物を安全に取り扱うための監督してもらう必要があります。

  • 6ヶ月以上の実務経験を有する甲種危険物取扱者
  • 6ヶ月以上の実務経験を有する乙種危険物取扱者
2罰則

新しく《危険物保安監督者》を決めたり、勤めていた《危険物保安監督者》が辞めたときには、市町村長に届け出る必要があります。
3重要罰則

危険物取扱者の資格を持たない人が危険物の取り扱い作業を行う場合、甲種危険物取扱者か、乙種危険物取扱者が作業に立ち会う必要があります。
原文
《危険物取扱者免状》とは
第13条の2重要

《危険物取扱者免状》の種類は、甲種、乙種、丙種の3種類があります。
2

甲種、乙種、丙種の種類による違いは、危険物の種類によって取り扱いに立ち会うことが認められるかどうかです。

危険物の種類について詳しくは総務省令で規定されています。
3重要

危険物取扱者試験に合格したら、受験した都道府県の知事から免状が交付されます。
4

危険物取扱者試験に合格しても、次の項目に該当する人には免状が交付されないことがあります。

過去一年の間に、消防法や関連する命令に違反して免状返納の命じられた人。

過去二年の間に、消防法に関連する命令に違反して罰金の処分を受けた人。
5罰則

消防法や関連する命令に違反すると、交付した都道府県知事から危険物取扱者免状の返納を命じられることがあります。
6

消防法や関連する命令に違反している危険物取扱者がいたら、現場の都道府県知事から免状を交付した知事に通知されます。
7

危険物取扱者免状の書換、再交付、その他必要な事項は政令で規定されています。
原文
危険物取扱者試験について
第13条の3

危険物取扱者試験は、危険物の取扱作業の保安に関する知識と技能に関して出題されます。
2

危険物取扱者試験には、甲種、乙種、丙種の3種類があります。
3

危険物取扱者試験は、都道府県知事により各種類ごとに年1回以上検定が行われます。
4

甲種危険物取扱者試験を受験するには次の資格が必要です。

大学か高等専門学校で化学に関する学科や課程を修めて卒業した人か、学校教育法でこれに準じると認められている人。

乙種危険物取扱者免状を交付されてから、2年以上危険物取扱いの実務経験を有する人。
5

危険物取扱者試験の試験科目、受験手続、その他試験の実施細目は、総務省令で定められています。
原文
危険物取扱者試験の問題を作るために
第13条の4

危険物取扱者試験の問題を作成したり、採点や受験のための事務作業を行うために、都道府県知事に代わり危険物取扱者試験委員が設置されます。

危険物取扱者試験委員の設置には、条例で決める必要があります。
2

危険物取扱者試験委員の組織、任期、その他の必要事項も都道府県の条例で決める必要があります。
原文
危険物取扱者試験を実施するための業務
第13条の5

危険物取扱者試験を実施するための業務は、総務大臣の指定を受けた業者が都道府県知事からの委託を受けて行います。

危険物取扱者試験を実施するための業務のことを《危険物取扱者試験事務》といいます。
2

総務大臣の指定を受けるためには、危険物取扱者試験を実施するための業務を行うことを総務大臣に申請する必要があります。
3

都道府県知事が試験の業務を業者に委託したら、知事は試験を開催する必要はありません。
原文
危険物取扱者試験事務の指定を受けるには
第13条の6

危険物取扱者試験事務の申請に対して、次の要件を満たしていることが認められたら、その指定を受けることができます。

危険物取扱者試験事務の実施計画において、職員、設備、実施方法、その他事項が、試験を確実に運営していくために適切であること。

危険物取扱者試験事務の実施計画を確実に実施できる経済的な裏付けと技術的な蓄積を有していること。

他の業務の運営をしている場合、そのために危険物取扱者試験事務に悪影響を及ぼさないこと。
2

危険物取扱者試験事務の申請に対して、次の要件に該当している場合、その指定を受けることができません。

法人の種類が、一般社団法人、一般財団法人ではない場合。

消防法違反で実刑となったことがあり、その刑が終わってから2年が経っていない場合。

消防法違反で指定を取り消されたことがあり、取り消し処分を受けてから2年が経っていない場合。

法人の役員に次に該当する人がいる場合。

消防法違反で実刑となったことがあり、その刑が終わってから2年が経っていない人。

この2年の間に試験事務規程の違反などで役員をクビにされてから2年が経っていない人
原文
危険物取扱者試験事務の指定を受けると
第13条の7

総務大臣から危険物取扱者試験事務の指定を受けると、その法人名、所在地、指定した日が公示されます。
2

危険物取扱者試験事務の指定を受けた業者のことを《指定試験機関》といいます。

指定試験機関が法人名や所在地を変更する場合は、変更の2週間前までに総務大臣に届け出をする必要があります。
3

変更の届け出をすると、総務大臣から変更内容が公示されます。
原文
試験の運営を任せることになったら
第13条の8

指定試験機関に試験の運営を任せることになったら、都道府県知事から次の内容が公示されます。
  • 試験機関の名称
  • 本社所在地
  • 業務担当の所在地
  • 日付
2

運営を任された指定試験機関が、名称や所在地を変更する場合は、変更の2週間前までに任された都道府県知事に届け出をする必要があります。
3

変更の届け出をすると、都道府県知事から変更内容が公示されます。
原文
役員は総務大臣の認可を受けなければ
第13条の9

指定試験機関の役員は総務大臣の認可を受けなければ選任も解任も有効になりません。
2

指定試験機関の役員が消防法を違反したり、試験事務規定の違反や不適当な行為をしたら、総務大臣から解任を命じられることになります。
原文
危険物取扱者試験の問題を作るのは
第13条の10

指定試験機関では、危険物取扱者試験委員を選任して試験の問題作成と採点を任せることになります。

危険物取扱者試験委員になるには、総務省令で定める要件をクリアしている必要があります。
2

危険物取扱者試験委員を選任したり、クビにしたときは、指定試験機関から総務大臣に届け出ることになります。
3

危険物取扱者試験委員が消防法を違反したり、試験事務規定の違反や不適当な行為をしたら、総務大臣から解任を命じられることになります。
原文
試験のことは秘密
第13条の11罰則

指定試験機関の役員、職員、危険物取扱者試験委員は現役の間はもちろん、これらの仕事を辞めたあとも試験のことで知り得た秘密を漏らすことは許されません。
2

刑法には、公務員を対象にした罰則規定があります。

指定試験機関の役員、職員、危険物取扱者試験委員が刑法を犯した場合、公務員に対する罰則規定が適用されます。
原文
運営は試験事務規程を定めて
第13条の12

危険物取扱者試験の運営にあたり、指定試験機関では総務省令に沿って試験事務規程を定めます。

試験事務規程が正式に認められるには総務大臣の認可を受けることが必要です。

試験事務規程を変更する場合も総務大臣の認可を受けることが必要です。
2

試験事務規程を変更する場合は、試験の運営を任せた都道府県知事の意見を聴いておく必要があります。
3

総務大臣の認可を受けたにもかかわらず、危険物取扱者試験の運営にあたり試験事務規程がちゃんと機能しないと判断されると、総務大臣から試験事務規程の変更が命じられます。
原文
指定試験機関の事業計画と収支予算
第13条の13

毎年の事業年度が始まる前に、指定試験機関の事業計画と収支予算は総務大臣に認可を受ける必要があります。

初めて指定を受けた年度は、指定を受けたら遅れることなく総務大臣の認可を受ける必要があります。

事業計画や収支予算を変更する場合も、総務大臣の認可を受ける必要があります。
2

事業計画や収支予算を変更する場合は、試験の運営を任せた都道府県知事の意見を聴いておく必要があります。
3

毎年の事業年度が終わると3ヶ月以内に、指定試験機関は事業報告書と収支決算書を総務大臣と業務を任せた都道府県の知事に提出してください。
原文
指定試験機関で保存が必要な書類
第13条の14罰則

指定試験機関では必要な情報を記載した書類を保存する必要があります。

どんな書類を保存する必要があるかは、総務省令で定められいます。
原文
総務大臣から命令、知事から指示
第13条の15

危険物取扱者試験をきちんと行うために必要であれば、総務大臣から指定試験機関に、試験業務を監督する上で必要な命令を出されることがあります。
2

危険物取扱者試験をきちんと行うために必要であれば、試験を任せた都道府県の知事から指定試験機関に、試験をきちんと実施するために必要な措置をとるように指示されることがあります。
原文
試験をちゃんとやっているか立入検査
第13条の16罰則

危険物取扱者試験をきちんと行うために必要であれば、総務大臣から指定試験機関に、どうゆう風に仕事をしているのか報告を求められたり、総務省職員が事務所の立入検査を行って設備や記録や書類がどうなっているのか調べを受けることになります。
2罰則

危険物取扱者試験をきちんと行うために必要であれば、試験を任せた都道府県の知事から指定試験機関に、試験状況の報告を求められたり、都道府県の職員が事務所の立入検査を行って設備や記録や書類がどうなっているのか調べを受けることになります。
3

立入検査をする総務省や都道府県の職員は、身分証を携帯して、要請を受けたら提示する必要があります。
4

立入検査を受けたからといっても、犯罪捜査の目的で行うわけではありませんのであしからず。
原文
試験業務を止める許可
第13条の17罰則

指定試験機関は総務大臣の許可を受けずに勝手に試験業務を止めてはいけません。
2

総務大臣が試験業務を止めて良いと許可をするのは、止めても試験業務はちゃんと行われる場合に限られます。
3

総務大臣が試験業務を止めて良いと許可する前に、試験を任せている都道府県知事から意見を聴く必要があります。
4

総務大臣が試験業務を止めて良いと許可をしたら、試験を任せている都道府県知事への通知と公示を行うことになります。
原文
指定を受ける資格を失ったら
第13条の18

指定試験機関が指定を受ける資格を失ったら、総務大臣から指定を取り消されます。

指定を受ける資格は、第13条の6第2項に規定されていますが、第三号は指定取り消しの対象外です。
2

指定試験機関が次の各号に該当したら、総務大臣から指定を取り消されたり、試験事務を一定期間業務停止を命じられることがあります。

試験の適切な運営に問題がある場合
(第13条の6第1項各号)

危険物取扱者試験委員が総務省令で定める要件をクリアしていない場合。
(第13条の10第一項)

事業計画や収支予算が総務大臣の認可を得られなかったり、事業報告書と収支決算書の提出ができなかった場合。
(第13条の13第1項、第3項)

必要な書類などを保管していなかったり、勝手に試験業務を止めてしまった場合。
(第13条の14、第13条の17第1項)

指定試験機関の役員や危険物取扱者試験委員が消防法を違反した場合。
(第13条の9第2項、第13条の10第3項)

試験事務規程がちゃんと機能しないと判断されたり、試験業務を監督する上で必要な命令を出された場合。
(第13条の12第3項、第13条の15第1項)

試験事務規程をないがしろにして危険物取扱者試験事務を行つた場合。

不正な手を使って、都道府県知事からの委託を受けた場合。
3

総務大臣から指定試験機関の資格を取り消されたら、公示と委任をしている都道府県知事に通知が出されます。
原文
危険物取扱者試験事務から外されることになったら
第13条の19

任されていた指定試験機関が危険物取扱者試験事務から外されることになったら、都道府県知事から試験の3ヶ月前までに通知を受けることになります。
2

任されていた指定試験機関が危険物取扱者試験事務から外されることになったら、都道府県知事から公示されます。
原文
指定試験機関が業務を続けられなくなったら
第13条の20

総務大臣の許可を得て危険物取扱者試験事務を止めた場合や、総務大臣から指定の取り消しや業務停止を命じられた場合、指定試験機関に業務を委託したことは置いといて、都道府県知事が危険物取扱者試験の業務を行うことになります。

天災や、その他の理由であっても指定試験機関が業務を続けられなくなった場合は、都道府県知事が危険物取扱者試験の業務を行うことになります。
2

指定試験機関が業務を続けられなくなり都道府県知事が危険物取扱者試験の業務を行う必要が発生したら、総務大臣は都道府県知事にその状況を通知する必要があります。

逆に、都道府県知事が試験業務を行う必要が無くなった場合も、総務大臣は都道府県知事に状況を通知する必要があります。
3

都道府県知事が試験業務を行う必要が発生する通知を受けたり、必要が無くなる通知を受けた場合は、都道府県知事は公示をする必要があります。
原文
知事が試験業務を引き継ぐための手順
第13条の21

都道府県知事が指定試験機関に代わって危険物取扱者試験の業務を引き継ぐこと場合の段取りや手続きについて、詳しくは総務省令で規定します。
原文
処分を受けても不服があったら
第13条の22

指定試験機関が処分を受けても不服があったら、総務大臣に審査請求をしてください。

審査請求は行政不服審査法の規定に照らして対応することになりますが、この法律にある《上級行政庁》には総務大臣が該当します。
原文
危険物取扱作業の保安講習
第13条の23

危険物の製造所や貯蔵所、取扱所で実際に危険物の取り扱いなどの業務をするためには、都道府県知事らが開催する危険物取扱作業の保安講習を受けなければなりません。
原文
管理者や監督者が消防法に違反したら
第13条の24

危険物保安統括管理者や危険物保安監督者が消防法に違反したり、消防法に基づく命令に従わない場合、市町村長から、その貯蔵所などの所有者や運営上の責任者に対して解任するよう命令されることがあります。

違反していると証明されなくても、公共の安全を守るためであったり、災害発生を防止する上で支障があると判断された場合も、解任を命じられることがあります。
2

危険物保安統括管理者や危険物保安監督者の解任が命じられたら、標識を立てるなど総務省が指示したやりかたで命令の内容を公示する必要があります。

貯蔵所などへの命令に関する標識は対象となった貯蔵所などに立てることになります。
原文
危険物施設保安員を決めて
第14条

危険物貯蔵所などの所有者や運営上の責任者は危険物施設保安員を決めて、総務省令に従ってその設備の保安のための業務を行わせる必要があります。
原文
火災予防には予防規定
第14条の2罰則

貯蔵所などの所有者や運営上の責任者は、貯蔵所などの火災予防に務める必要があります。

そのために総務省令の規定に基いて予防規定を定めて、市町村長に認可を受ける必要があります。

いったん決めた予防規定を変更する場合も、市町村長に認可を受ける必要があります。
2

定めた予防規定は、政令で定められた技術基準に適合していると認められると認可されます。

政令で定められた技術基準の適合については、第10条第3項でも規定があります。
3罰則

火災予防のために必要があると市町村長から判断されると、予防規定を変更させられることがあります。
4

貯蔵所などの所有者や運営上の責任者は、予防規定を守らなければなりません。
5

予防規定の変更を命じられたら、標識を立てるなど総務省が指示したやりかたで命令の内容を公示する必要があります。

貯蔵所などへの命令に関する標識は対象となった貯蔵所などに立てることになります。
原文
保安検査で技術的な基準をチェック
第14条の3重要罰則

所定の規模の屋外タンク貯蔵所や移送取扱所は市町村長による保安検査を受けて、政令で定められた位置や構造、設備の技術的な基準が守られているかチェックされます。

この検査を受ける規模やタイミングは政令で決められています。
2罰則

所定の規模の屋外タンク貯蔵所や移送取扱所が地盤沈下によって傾きかけたら、市町村長による保安検査で技術的な基準が守られているかチェックを受ける必要があります。

地盤沈下以外にも、政令で定められた状況が発生したら、保安検査を受ける必要があります。
3

実際の保安検査は市町村長から危険物保安技術協会に任されることになります。
検査を受けなければならない屋外タンク貯蔵所の規模は容量10,000kL以上のもので、一般的には8年に1回、保安措置が取られていると10年や13年に1回まで延長されます。
岩盤タンク貯蔵所は10年、地中タンク貯蔵所は13年に1回です。
検査を受けなければならない移送取扱所の移送距離が15km以上のもので1年に1回、配管の最大常用圧力が0.95MPa以上であれば7km以上でも対象となります。
地盤沈下により傾きが生じることを《不同沈下》といい、検査を受けなければならない不同沈下の基準はタンクの直径の100分の1以上の傾きが生じた場合です。
原文
定期点検
第14条の3の2重要罰則

危険物の貯蔵所などでは総務省令に従って定期点検を受ける必要があります。

点検したら点検記録をまとめ、きちんと保管しておく必要があります。
原文
自衛消防組織
第14条の4

まとまった敷地で所定以上の数量を貯蔵する貯蔵所などでは、その事業者が運営する自衛消防組織を設置する必要があります。

所定の数量や自衛消防組織についての詳細は政令で定められます。
原文
映画館は記述基準に従って
第15条罰則

室温があがる映写機を使う映画館は、政令で定められた技術基準に従った構造や設備を整える必要があります。
原文
危険物を運搬するには
第16条重要罰則

危険物を運搬するにあたって、危険物の容器、積載方法、運搬方法は政令で技術上の基準が決められています。
原文
タンクローリーには危険物取扱者が乗って
第16条の2重要罰則

タンクローリーを使って実際に危険物を移送する場合は、資格を持つ危険物取扱者が搭乗していなければなりません。
2

タンクローリーに搭乗している危険物取扱者は危険物の移送に関する政令の基準をきちんと守り、安全を確保するために細心の注意を払う必要があります。
3罰則

危険物取扱者がタンクローリーに搭乗するときは、必ず危険物取扱者免状を携帯してください。
原文
流出事故が発生したら
第16条の3

貯蔵所などの所有者や運営上の責任者は、危険物の流出事故が発生したら直ちに流出を止め、流出した危険物の拡散を防ぎ、これを除去し、さらなる災害の発生を防止し、必要な応急処置を施さなければなりません。
2罰則

危険物の流出事故を発見した人は直ちに消防署か、市町村長指定の連絡先、警察、海上保安庁に通報してください。
3罰則

危険物が流出していることを貯蔵所などの関係者が気付いていなかったり、その対応が見られない場合、市町村長から応急処置を施すよう命令されることになります。
4罰則

関係者がタンクローリーから危険物が流出していることに気付いていなかったり、対応が見られない場合、市町村長や都道府県知事から応急処置を施すよう命令されることになります。
5

市町村長や都道府県知事からの応急処置命令を貯蔵所などやタンクローリーの関係者に対応が見られない場合、行政代執行法の規定に則って消防署の職員や第三者機関に対応をさせることが認められます。

関係者の対応が十分とはいえない場合や、期限内に終わらない場合も同様の対応が認められます。
6

市町村長らから危険物流出の対応命令が出されたら、標識を立てるなど総務省が指示したやりかたで命令の内容を公示する必要があります。

貯蔵所などへの命令に関する標識は対象となった貯蔵所などやタンクローリーに立てることになります。
原文
流出事故には原因調査
第16条の3の2重要

火災発生の可能性があった流出事故などに関しては、市町村長から原因究明のための調査が入ることになります。
2罰則

火災発生の可能性があった流出事故の調査には、貯蔵所などの所有者や運営上の責任者はもちろんのこと、業者や関係者などにも必要資料の提出や報告が求められます。

貯蔵者や関係先各所には危険物の状況に対して消防署職員の立入調査が行われたり、設備や備品などの検査、関係者への聞き取り調査なども行われます。
3

関係先であっても、個人の住居に対して関係者の許可が得られない場合、よほど火災発生のリスクが高くて緊急の必要がなければ勝手に立入調査を行うことはできません。

立入調査を行う場合、消防職員は市町村が発行する身分証明書を持参し、求めに応じてこれを提示する必要があります。
4罰則

流出事故に対して市町村長から要請が出されると消防庁長官が立入調査にあたることになります。

この場合も個人宅には制限があり、身分証の持参や提示が必要です。
原文
許可や検査、講習や受験は有料
第16条の4

タンクローリーの設置や変更許可や、完成検査、保安検査は有料です。

金額は政令で定められ、国庫に納付します。
2

危険物取扱作業の保安講習は有料です。

受講費用の額は政令で定められ、講習を行う指定講習機関に支払います。
3

指定講習機関に支払われた受講費用はその機関の収入となります。
4

都道府県知事が行う危険物取扱者試験の受験手数料は有料です。

受験手数料の徴収は地方自治法に基いて行われ、条例に従って受験者は指定試験機関に支払います。

支払われた受験手数料は指定試験機関の収入となります。
原文
事故が発生していなくても調査や停止
第16条の5罰則

指定数量以上の危険物が貯蔵などされている所には、漏出事故が発生していなくても火災防止に必要と判断されれば市町村長から資料の提出や報告を求められることがあります。

さらに、貯蔵者や関係先各所には危険物の状況に対して消防署職員の立入調査が行われたり、設備や備品などの検査、関係者への聞き取り調査なども行われ、必要があれば火災防止のための必要最小限度危険物や危険が疑われる物質を撤収するよう命じられます。
2罰則

走行中のタンクローリーに対して火災発生のおそればあると判断されれば、消防官や警察官から停止を命じられ、乗車している危険物取扱者に危険物取扱者免状を提示させられることになります。

この業務は警察と消防の管轄が重なっていますの、職務にあたる場合はきちんと連絡を取り合うことが必要です。
3

個人の住居や、タンクローリー車内のプライバシーに関わる部分の調査には制限があり、身分証の持参や提示が必要です。
原文
許可を受けずに貯蔵していたら
第16条の6

市町村長の許可を受けずに指定数量以上の危険物を貯蔵している人には、市町村長からその危険物の撤去と災害防止のために必要な措置をとるよう命令されることになります。
2

許可の無い危険物の撤去などの命令が出されたら、標識を立てるなど総務省が指示したやりかたで命令の内容を公示する必要があります。

貯蔵所などへの命令に関する標識は対象となった貯蔵所などに立てることになります。

命令を受けても対応が見られない場合、行政代執行法の規定に則って消防署の職員や第三者機関に対応をさせることが認められます。

関係者の対応が十分とはいえない場合や、期限内に終わらない場合も同様の対応が認められます。
原文
消防本部や消防署が新設されたら
第16条の7

消防本部や消防署が新設されたら、危険物に関する許可や検査、命令などに関することは政令の規定に従って特例的に処理されます。

具体的には次の条文が対象となります。
  • 設置許可と完成検査(第11条)
  • 特定事項検査(第11条の2)
  • 危険物変更に伴う届け出(第11条の4)
  • 貯蔵所などへの違反是正命令(第11条の5第1項)
  • タンクローリーへの違反是正命令(第11条の5第2項)
  • 貯蔵所などへの基準不適合改善命令(第12条第2項)
  • 許可取消命令、運用停止命令(第12条の2)
  • 一時停止命令、使用制限命令(第12条の3)
  • 知事や総務大臣への対策措置要請(第12条の4)
  • 設備廃止の届け出(第12条の6)
  • 危険物保安統括管理者の届け出(第12条の7第2項)
  • 危険物保安監督者の届け出(第13条第2項)
  • 予防規定の認可(第14条の2第1項)
  • 予防規定の変更命令(第14条の2第3項)
  • 保安検査(第14条の3)
  • 貯蔵所などへの危険物流出の応急措置命令(第16条の3第3項)
  • タンクローリーへの応急措置命令(第16条の3第4項)
  • 資料提出、報告、立入検査、収去命令(第16条の5)
原文
総務大臣の権限の一部は
第16条の8

この章の規定の中で総務大臣の権限に関する業務の中でで、政令の指定があることは塗装不県知事や市町村長の代行が認められます。
原文
安全を守るために総務大臣からの指示
第16条の8の2

公共の安全を守るため、災害の発生を防ぐために必要であれば、総務大臣から市町村長や都道府県知事が行うべき命令を出すよう指示が出されます。
原文
この章の規定の適用除外
第16条の9

この章(危険物)の規定は、航空機、船舶、鉄道、あるいはレールなどを使った輸送機器を使う危険物の運搬や貯蔵、取り扱いは適用除外となります。
原文
第3章の2 危険物保安技術協会について

第2章 火事を出さない…火災予防
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