第7章の2 人々を救うために
第七章の二 救急業務

第8章 火事に限らず、その他諸々
第7章 火災の原因と損害の調査
救急業務の実施基準
- 第35条の5
-
都道府県は迅速かつ正確に救急業務を行うために、けが人や病人の搬送と医療機関での受入の基準を定めます。
この基準のことを《実施基準》といいます。 - 2
- 《実施基準》はまず都道府県で区域を分けて、さらに各都道府県の医療体制を考慮して区域を分けて設定し、次の事項を定めます。
- 一
- 心身ともにけがや病気の状態に応じた医療機関の分類基準。
- 二
- 医療機関の分類基準に基づいて該当する医療機関の名称と該当区分。
- 三
- 消防機関がけがや病気の具合を確認するための基準。
- 四
- 消防機関がどの医療機関にけが人や病人を搬送するかを決めるための基準。
- 五
- 傷病機関が医療機関に搬送する際にけが人や病人の状況を伝えるための情報の基準。
- 六
- けが人や病人の情報以外で、消防機関と医療機関との間でやり取りが必要な情報の基準。
- 七
- 都道府県として消防機関と医療機関との間でやり取りが必要とする情報の基準。
- 3
-
救急業務の実施基準は医学的な知見に基づくものでなければなりません。
医療法第30条の4第1項では基本方針と都道府県ごとのその地域の実情に応じた医療サービスを確保するために《医療計画》を定めることになっています。
実施基準はこの医療計画と調和の取れたものでなければなりません。 - 4
-
救急業務の実施基準を定めるにあたり、実施基準の《協議会》を開いてその意見を受け入れる必要があります。
協議に関する詳細は第35条の8第1項に規定されています。 - 5
- 救急業務の実施基準が定められたら、都道府県から公表されます。
- 6
-
救急業務の実施基準を変更する場合も、医学的知見や医療計画に基づく必要があります。
救急業務の実施基準を変更する場合も協議会を開いてその意見を受け入れる必要があります。
救急業務の実施基準を変更する場合も都道府県から公表されます。
原文
221
大臣から基準策定のサポートを
- 第35条の6
- 都道府県で救急業務の実施基準を決めたり変更する際に、総務大臣や厚生労働大臣からそれに必要な情報の提供や、アドバイス、サポートを受けることができます。
原文
222
実施基準の遵守
- 第35条の7
- けが人や病人を搬送する際、消防機関は実施基準を遵守する必要があります。
- 2
- 搬送されたけが人や病人を受けいる際、医療機関は実施基準をできるだけ守る必要があります。
原文
223
実施基準には協議会の意見を
- 第35条の8
- 救急業務の実施基準を決めたり、実際に関係者同士で連絡を取り合うために、都道府県が主体となって協議会を結成します。
- 2
- 協議会は次のメンバーで構成されます。
- 一
- 消防機関の職員
- 二
- 医療機関の管理者か、医療機関が指定した医師
- 三
- 診療に関する学識経験者団体が推薦する人
- 四
- 都道府県の職員
- 五
- 学識経験者、都道府県が必要として推す人
- 3
- 協議会において必要と判断されたら、これに関わる行政機関に対して資料をもらったり、意見や説明を聞いたり、様々な協力を求めたりすることができます。
- 4
- 協議会は救急業務の実施基準や、けが人や病人の搬送や受入を実施するにあたっての必要事項について、都道府県に意見を述べることが認められます。
原文
224
地域外の市町村に救急業務の応援要請
- 第35条の9
-
救急業務を行っていない市町村の救急業務実施区域で交通事故が頻繁に発生した場合、都道府県知事は関係する市町村に救急業務の応援を要請することがあります。
要請をするにあたって都道府県知事は応援してくれる市町村に意見を聞く必要があります。
都道府県知事から要請を受けた市町村は区域を超えて交通事故が頻繁に発生している市町村に救急業務を行うことが認められます。 - 2
-
救急業務を行っていない市町村の高速道路や国道で、交通事故による救急業務の応援が必要な区間は政令で指定されることがあります。
この区間については関係する市町村の意見を聞いた上で都道府県がこの区間の救急業務を行います。
都道府県が行う救急業務に就く職員は地方公務員法の適用を受けて消防職員として扱われます。
原文
225
緊急の現場では救急隊員に手助けを
- 第35条の10
- けが人や病人が発生した現場でその周りにいたら、緊急事態に対応するため、救急隊員から救急業務の手助けをお願いされることがあるので、できるだけ手を貸してあげてください。
- 2
- 救急業務においては、救急隊員と警察官との間で密接に連携を図って対応に当たります。
原文
226
都道府県の救急隊も
- 第35条の11
- 緊急でけが人や病人の所に行くためであれば普通の道路ではない場所や、公共用ではない空地や水路も通行することが認められます。
- 2
-
消防組織法第39条には、他の市町村との間でも消防組織は互いに応援し合うことと規定されていますが、都道府県の救急組織も市町村の救急組織と互いに応援し合うこととします。
都道府県知事や市町村長の間で消防に関する応援業務についての協定を結ぶことが認められます。
原文
227
その他、救急隊に必要なことは
- 第35条の12
- 消防法の規定以外に、救急隊の編成や装備の基準や、救急業務を行う上で必要な事項は政令で定めます。
原文
228
第8章 火事に限らず、その他諸々
第7章 火災の原因と損害の調査