CONTENTS

施行日:令和元年7月1日

4.消防の設備等

第4章 消防設備について

第四章 消防の設備等

第4章の2 消防用品の機材と液剤の検定

第3章の2 危険物に対して
消防用設備を整える
第17条重要

“消防用設備”、消防用水、《消火活動上必要な施設》の3つを《消防用設備等》といいます。

次の用途に使われる建物の関係者は、消火や避難を行うために必要な性能を有する消防用設備等を整えておく必要があります。
  • 学校
  • 病院
  • 工場
  • 事業場:オフィスや店舗、工場、作業場など
  • 興行場:映画館や劇場、スタジアムなど
  • 百貨店
  • 飲食店
  • 地下街
  • 雑居ビルなど複数の用途で使われる建物
  • 政令で指定される防火対象物

消火や避難に必要な性能は、政令で定める技術上の基準で示されます。
2重要

地域の特性や事情のために政令で定める技術上の基準だけでは防火の目的が達成できそうにない場合、市町村の条例を定めることでより厳しい規定とすることが認められます。
3

総務大臣の認定を受けるつもりで、技術上の基準を超えている《特殊消防用設備》を用いる場合は、通称《設備等設置維持計画》を作成して、これに沿って設備の設置や維持をしていく必要があります。

《設備等設置維持計画》の正式名称は《特殊消防用設備等の設置及び維持に関する計画》です。
原文
設備等設置維持計画には性能評価を
第17条の2

《特殊消防用設備》を実際に導入するにあたり、この設備は日本消防検定協会に性能評価を受けておく必要があります。

この性能評価では、実際に設置して設備等設置維持計画通りの性能が発揮できるか、設置して所定の期間性能を維持できるのかを評価します。

なお、日本消防検定協会以外にも、総務大臣の登録を受けた法人であれば性能評価を行うことが許されます。
2

この性能評価を受けるためには、設備等設置維持計画と必要書類を添えた申請書を日本消防検定協会に提出してください。

申請書や必要書類について詳しくは総務省令で規定されます。
3

申請が受理されたら、総務省令に従って性能評価が行われ、その結果は申請者に通知されます。
原文
性能評価で基準を超えたら
第17条の2の2

性能評価で技術上の基準を超えている設備を導入するには、設備等設置維持計画とその評価結果を記載した書類を添えて総務大臣に申請書を提出してください。

申請書の詳細については総務省令で規定されています。
2

基準を超えた設備導入の申請をしたら、総務大臣により実際に導入すると技術基準を超える性能を発揮できるかどうかを審査され、合格すると総務大臣の認定が得られます。
3

総務大臣の認定にあたり、関係する消防長や消防署長にその設備のことを通知されます。

通知を受けた消防庁や消防署長は認定に関してクレームをつけることが認められます。
原文
計画や設備を変更するには
第17条の2の3

総務大臣からの認定を受けた特殊消防用設備を導入しても、次の項目に該当すると認定は無効になることがあります。

ウソや不正で認定を受けたり、ウソや不正で計画変更の承認を受けたことがバレた場合。

設備等設置維持計画の通りに設備が設置されていないことが判明したり、計画通りに設備が維持されていないことが判明した場合。
2

特殊消防用設備導入の認定を受けた後でこの設備の変更や設備等設置維持計画の変更を希望する場合は、総務大臣の承認を受ける必要があります。

変更の程度が総務省令の規定にある、さほど大きくない場合は総務大臣の承認を受けるまでもありません。
3

変更の承認を受ける場合も、性能評価や申請に関して認定を受ける場合と同じ基準で行われます。
4罰則

総務省令の規定にある、さほど大きくない変更をした場合でも、総務省令に従って消防長か消防署長に届け出をする必要があります。
原文
協会で性能評価ができなくなっても
第17条の2の4

もし日本消防検定協会が消防設備の性能評価を行う能力が不足して業務に支障が出てしまい、それでも特別にその業務を行う必要が発生したら、代わりに総務大臣が性能評価を引き継ぐこととなります。
2

特別に総務大臣が性能評価の業務を引き継ぐことになったら、引き継ぐ期間を公表しておく必要があります。
3

特別に総務大臣が性能評価の業務を引き継ぐことになっても、申請書の提出の仕方や性能評価の結果通知は協会が行う場合と同じ段取りとなります。
4

総務大臣に性能評価の申請をする場合、手数料を国に支払うことになります。

この手数料は、実費を念頭に政令で定める金額となります。
原文
政令よりも前に設置されていた消防用設備には
第17条の2の5重要

消防用設備の技術基準に関する政令などを適用する前に設置されていた消防用設備は、政令に適合していなくても特例として改修を強要されることはありません。

政令などを適用する前から新築、増築、改築、移転、修繕、模様替えの工事中であった物件についても、特例で改修を強要されることはありません。

これらの物件は従来の技術基準に適合していればOKです。

ただし、消火器と避難器具、そして別途政令で指定された設備は例外で、常に最新の技術基準に適合するものを設置する必要があります。
2重要

次の場合は特例の対象にはなりません。

元々、設置時点の消防用設備の技術基準に違反していた場合。

政令で定める規模以上の増築や改築、大規模修繕、大規模模様替えの工事を行った建物の消防用設備の場合。
難文

改正された基準に適合するように改修して基準をクリアした場合。

第17条の第1項で、消防用設備等を備えなければならないとされている用途の建物の内、学校を除いたものを《特定防火対象物》といいます。

特定防火対象物に該当する建物で、新築、増築、改築、移転、修繕、模様替え工事を行う場合。
《別途政令で指定された設備》は、漏電火災警報器、避難器具、消火器、簡易消火設備、自動火災警報器、誘導灯、誘導標識、非常警報器具、非常警報設備が対象となります。
政令で定める以上の工事とは、工事後床面積が1000㎡を超えた増改築工事、元々の床面積の半分以上の増改築工事、主要な建物の壁の半分を超える大規模修繕工事が該当します。
用途別の《特定防火対象物》指定については今後《消防法施行令別表第一》を掲載する予定です。
原文
用途変更や条例改正されたら消防用設備は
第17条の3重要

建物の用途を変更したことにより消防設備の技術上の基準に適合しなくなったり、条例が改正されて基準に適合しなくなったからといっても、それまでの基準に適合しているのであれば、特例として改修を強要されることはありません。
2

次の場合は特例の対象にはなりません。

用途変更前から基準違反だったり、条例改正前から基準違反だった場合。
難文

用途を変更した後で、政令で定める規模以上の増築、改築、大規模修繕、大規模模様替えを行った場合。
難文

改修などにより変更後の用途の技術上の基準や、条例改正後の技術上の基準に適合することになった場合。
重要

特定防火対象物に該当する用途に変更された場合。
原文
消防用設備を設置したら検査を
第17条の3の2重要罰則罰則

次の用途に使われる建物の関係者は消防用設備や特殊消防用設備を設置したら、消防長か消防署長に届け出をして検査を受ける必要があります。
  • 学校
  • 病院
  • 工場
  • 事業場:オフィスや店舗、工場、作業場など
  • 興行場:映画館や劇場、スタジアムなど
  • 百貨店
  • 飲食店
  • 地下街
  • 雑居ビルなど複数の用途で使われる建物
  • 政令で指定される防火対象物

届け出に関して詳細は総務省令で決められています。
原文
定期点検は誰に
第17条の3の3重要罰則

次の用途に使われる建物の関係者は消防用設備や特殊消防用設備を設置したら、定期的に点検をする必要があります。
  • 学校
  • 病院
  • 工場
  • 事業場:オフィスや店舗、工場、作業場など
  • 興行場:映画館や劇場、スタジアムなど
  • 百貨店
  • 飲食店
  • 地下街
  • 雑居ビルなど複数の用途で使われる建物
  • 政令で指定される防火対象物

点検の仕方は総務省令で指定されていて、点検の結果を消防長か消防署長に報告する必要があります。

政令で指定されていないケースでは、建物の関係者が点検すれば事足りますが、政令での指定があるケースでは、消防設備士の資格を持つ人に点検をさせる必要があります。
原文
消防用設備の設置命令
第17条の4重要罰則罰則

必要なのに、消防用設備が技術基準に従って設置していなかったら、消防長や消防署長からその建物の所有者や運営上の責任者に対してちゃんと設置するように命令されます。

消防用設備を設置したのに、ちゃんと維持管理がなされていなかったら、消防長や消防署長からその建物の所有者や運営上の責任者に対してちゃんと維持管理するように命令されます。
2重要罰則罰則

特殊消防用設備が設備等設置維持計画に従って設置していなかったら、消防長や消防署長からその建物の所有者や運営上の責任者に対してちゃんと設置するように命令されます。

特殊消防用設備を設置したのに、ちゃんと維持管理がなされていなかったら、消防長や消防署長からその建物の所有者や運営上の責任者に対してちゃんと維持管理するように命令されます。
3

消防長や消防署長からその建物の所有者や運営上の責任者に対して命令が出されたら、現場に標識を立てるなど総務省が指示したやりかたで命じた内容を公示する必要があります。

標識を立てることになったら、所有者や運営上の責任者はこれを拒むことはできません。
原文
消防設備士だけができること
第17条の5罰則

消防用設備の工事や整備に関して次の事項は資格を得た消防設備士しか実施することは許されません。

技術基準による消防用設備の設置

特殊消防用設備等の設置。
原文
消防設備士は甲種と乙種
第17条の6

消防設備士免状には甲種と乙種があります。
2

甲種消防設備士は消防設備の工事と整備ができる資格ですが、具体的なことは総務省令で定めます。

乙種消防設備士は消防設備の整備ができる資格ですが、具体的なことは総務省令で定めます。
原文
消防設備士になるには
第17条の7

消防設備士試験に合格したら、都道府県知事から消防設備士免状を受けて資格を手にすることができます。
2罰則

消防設備士試験に合格しても、過去1年の間に、消防法や関連する命令に違反して免状返納の命じられた人や過去2年の間に、消防法に関連する命令に違反して罰金の処分を受けた人は免状が交付されないことがあります。

消防法や関連する命令に違反すると、交付した都道府県知事から消防設備士免状の返納を命じられることがあります。

消防法や関連する命令に違反している消防設備士がいたら、現場の都道府県知事から免状を交付した知事に通知されます。

消防設備士免状の書換、再交付、その他必要な事項は政令で規定されています。
原文
消防設備士の試験
第17条の8

消防設備士の試験は、消防用設備の設置や維持に関する知識と技能が問われます。
2

消防設備士の試験は、甲種と乙種の2種類があります。
3

消防設備士の試験は、都道府県知事が開催し、年に1回以上行われます。
4

消防設備士の試験を受けるには、次の受験資格が必要です。

大学、高専、高校、中学で理系の機械、電気、工業化学、土木、建築に関する学科を修了すること。

試験に合格し、乙種消防設備士として2年以上の消防用設備などの整備経験を積むこと。

理系の学校を卒業したり、乙種消防設備士経験と同等として総務省令で定められたスキルを身に着けていること。
5

上記の他、消防設備士の受験に関する詳細は総務省令で定めます。
原文
消防設備士の試験は業者に委任
第17条の9

消防設備士試験は都道府県知事から総務大臣が指定した業者に実施が委任されます。
2

試験の実施を委任されるためには業者からの申請が必要です。
3

業者に消防設備士の試験を委任したら、都道府県知事は試験には直接関わりません。
4難文罰則罰則罰則

消防設備士試験の委任業者に対する規定は《危険物取扱者試験事務》の第13条の6から第13条の22までの規定を必要に応じて読み替えて適用します
原文
消防設備士になったら
第17条の10重要

消防設備士になったら、消防設備の工事や整備に関する講習を受けなければなりません。

講習は都道府県知事か総務大臣が指定する市町村長、関連機関が開催します。
講習は設備の区分ごとに受講する必要があり、2019年現在1区分で7,000円が相場みたいです。
原文
講習の手数料
第17条の11

総務大臣の指定を受けた消防設備士向けの講習を行う期間のことを《指定講習機関》といいます。

この講習を受けるためには指定講習機関に政令で指定された手数料を支払う必要があります。
2

指定講習機関に支払われた手数料はその機関の収入となります。
3

総務大臣が指定し、都道府県が試験の実施を委任した業者を《指定試験機関》といいます。

都道府県知事が行う消防設備士試験の受験手数料は有料です。

受験手数料の徴収は地方自治法に基いて行われ、条例に従って受験者は指定試験機関に支払います。

支払われた受験手数料は指定試験機関の収入となります。
原文
消防設備士の義務
第17条の12

消防設備士は誠実に業務を行い、消防設備のクォリティアップのため努力しなければなりません。
原文
消防設備士の免状を携帯して
第17条の13

消防設備士が消防設備の工事や整備を行う際は、消防設備士免状を携帯していなければなりません。
原文
消防設備工事の届け出
第17条の14重要罰則

消防設備の工事を始めるにあたり、その10日前までに消防長か消防署長に届け出をする必要があります。

届け出は工事や整備を行う設備の種類、場所、その他必要事項を記載し、詳しいことは総務省令で定められています。

この届け出は、甲種消防設備士の独占業務となります。
原文
むやみに消防設備を使っては
第18条罰則罰則罰則

消防に関わる次の設備は必要の無いときに使うことや、壊したり、持ち去ったり、必要があっての使用を妨害することは許されません。
  • 火災報知機
  • 消火栓
  • 消防用の貯水施設
  • 消防用の物見櫓
  • 警鐘台
2罰則

必要もないのに消防信号を発信したり、紛らわしい合図を送ることは許されません。
半鐘などを使って火災を知らせる合図を《消防信号》といいます。
原文
第19条

削除
消防に使う水
第20条

消防庁が提示した基準に従って、消火のために使われる水利が決められています。
2

消防用の水を貯めるための施設は市町村で設置、維持管理を行います。

水道に関しては、市町村が担当していない場合はその管理者が設置、維持管理を行います。
原文
消防水利の確保
第21条

消火活動のためには大量の水が必要なので、水道水以外にも色々な所の水を消火活動に使える水として確保しておくことが望ましい、といえます。

そこで消防長や消防署長は、池、泉、井戸、水槽、その他にも消火活動に有効な水利について市町村が管理をしていない場合、所有者や権限を持つ管理者承諾を得て消防水利に指定することが認められます。

消防水利に指定しておくと、いつでも消火のために使える水としての権利が認められます。
2

消防水利として指定されると、総務省令の規定により標識を掲げられます。
3罰則

消防水利として指定を受けた後、指定を解除したい場合は、事前に担当の消防長か消防署長に届け出ておくことが必要です。
原文
第4章の2 消防用品の機材と液剤の検定

第3章の2 危険物に対して
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